i -アイ-愛-
「今日、夢で見た」


真翔はソーセージを焼きながら話し始めた。


「俺のせいでボロボロになった春姫が、それでもずっと俺の側にいてくれる夢」


それ…。


今朝のこと…?


「んで、思った。もっとコイツのこと大事にしねぇとって。…今さら遅いよな」


真翔……。


私の思いが届いた…?


昔の真翔に戻って欲しいっていう願いが、ちゃんと届いたんだ。


「遅くなんてないよ。何度でもやり直そう…?」


キッチンに入り、ゆっくり真翔に近づく。


本当は抱きしめたかった。


でも、私から触れていいのか分からなくてできなかった。


「ごめんな、春姫。痛かったろ?」


真翔もゆっくり近づいてきて、スルリと髪を撫でてくれた。


昔からしてくれるこの仕草が好き。


優しかったあの頃を思い出す。
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