i -アイ-愛-
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その日真翔は珍しく一日中家にいた。
いつもは倉庫に行って仲間とバイクを乗り回したりしているのに。
「このドラマ見ていい?」
「いーよ。俺も見たい」
くっついて一緒にドラマを見たり。
「え?これはどうすんの?」
「それはここに入れてかき混ぜるの」
「ふーん。こう?」
「うん!」
一緒にお菓子作りをして食べたり。
今日の真翔は本当に優しくて、昔に戻ったみたいだ。
ずっとこんな日常が続けばいいな…。
昔は続くと思っていた。
いつからかな…。
こんなふうになっちゃったのは…。
「…酒ねぇじゃん」
日が暮れた頃、不機嫌そうな声が冷蔵庫の方から聞こえてきた。