i -アイ-愛-

✿✿

その日真翔は珍しく一日中家にいた。


いつもは倉庫に行って仲間とバイクを乗り回したりしているのに。


「このドラマ見ていい?」

「いーよ。俺も見たい」


くっついて一緒にドラマを見たり。


「え?これはどうすんの?」

「それはここに入れてかき混ぜるの」

「ふーん。こう?」

「うん!」


一緒にお菓子作りをして食べたり。


今日の真翔は本当に優しくて、昔に戻ったみたいだ。


ずっとこんな日常が続けばいいな…。


昔は続くと思っていた。


いつからかな…。


こんなふうになっちゃったのは…。




「…酒ねぇじゃん」


日が暮れた頃、不機嫌そうな声が冷蔵庫の方から聞こえてきた。
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