i -アイ-愛-
この声色はいつも私をビクつかせる。


真翔がお酒を飲むと高確率で荒れるから、なるべく飲んでほしくない。


今日一日は幸せだったんだ。


今日くらい平和に終わりたい。


「真翔、これ一緒に見ようよ」


「え?酒飲みたい」


「…でも……」


飲んでほしくない。


そう伝えたら真翔はどう反応するだろう。
 

いつもみたいに私を殴る…?


それとも、もうそんなことしない…?


さっき約束したもんね。


信じていいんだよね?


「私はお酒飲んでほしくない」


目を見てハッキリ伝える。


心臓がバクバク暴れている。


どんな反応が返ってくるか怖い。


真翔の目は鋭い。


「お前には関係ねーだろ」


その目で凄まれると萎縮してしまう。


やっぱり真翔は私よりお酒なんだ。


そう思うと悲しくもあった。
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