路地裏Blue Night.




キングサイズのベッドにて。


S.Roberのナンバー1である男は、足を引っ張ってばかりの新米ナンバー5を。

そして花ノ宮高等学校に通う1年の(女子)生徒を───…ぎゅうっと抱きしめております。



「はは、緊張しすぎだってば。ドコドコドコドコすごいよミオ」


「うえっ!?し、仕方ないよそれは…!」



こちらナンバー5、さっちゃんを笑顔にしようプロジェクト。

無事に任務成功であります。



「…前に僕のスペシャル寿司、食べてくれてありがとう」


「う、うん…」



あれはやばかった……。

あんなのお寿司とは言えません、言ってしまえば罰ゲームです。



「なにか困ってることとか不満とかある?あったら遠慮しないで言って」


「ううん、…毎日たのしい」



相変わらず全力疾走な毎日だけど。
追いかけて盗って、追いかけられて。

その中でも毎日さっちゃんの背中を目指す。


この街で見えた月は、月の見えない街で見えたライトは、きっとそれだったんだって。



「こんなので本当に元気になる…?」


「そんなに信じられない?」


「…だってこれ、……ううん、なんでもない」



私が元気付けられてるようなものだ───…。


こうして抱きしめられて私がうれしくて、私がドキドキしてる。

あれ?これって私を喜ばせるプロジェクト?なんて勘違いしそうになる。



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