路地裏Blue Night.
「あのう…さっちゃん…」
「ん?」
「……えっと、任務の確認いいですか」
2人の男女を尾行なう。
その男の方は確かに私が盗聴器を仕掛けた、今ではちょっとだけ懐かしくて思い出したくない野郎。
というより、やっぱり探偵さんみたいなこともするんだ…。
窃盗団っていうより今日はめちゃくちゃ探偵さんだよね…?
でもね、問題はそこじゃないんだ。
バリバリにホテル街へ向かってる気がすることだけが大問題。
「前回の盗聴の結果はクロ。だけどそれだけじゃ検察側からすると証拠としては不十分。だから今回はカメラに収めて逃げ場を無くすってわけ」
「…なるほど」
「それだけだから簡単でしょ?」
確かにある意味、盗撮をすればいいってだけだから比較的かんたん……かも。
ラブホに入っていくところを撮影するっていうのが気が引けるけど、別に逃げたり激しいアクションはとくに無いっぽいから。
……と、うしろをキョロキョロ気にし出したターゲット。
さっちゃんの静かな合図でふたてに分かれて人混みに紛れる。
「でもさっちゃん、どうして私と2人なの…?蘭さんとか居るよね…?」