路地裏Blue Night.
最近になって分かってきたけど、シンメっていうのはシンメトリーの略なんじゃないかと。
まぁいわゆる相棒みたいなものだ。
もし私とさっちゃんがシンメになったら……うん、足を引っ張る想像しか出来ない。
「ってことでまぁ、期待してるよナンバー5」
うーんうーんと眉を寄せる私にクスッと笑ったナンバー1。
今日の格好はいつもの走る用ではなく、ラフな服装。
フェイスマスクもしてないし、まだ夕方前ということもあって普通の町人に紛れての任務だ。
「───よし、任務完了」
ホテルに入る瞬間さえ撮れればいいとのことで。
やっぱりあのおじさんは平気で浮気するような男だから、これで奥さんには裁判で見事勝利をしてほしい。
スマートフォンに記録した証拠写真を、さっそく誰かに送信したさっちゃん。
「本当にお助けマンだね!さっちゃん!」
「…そうだね」
あれ、ちょっと嬉しそうで悲しそう。
……あ、弟さんのことを思い出させちゃったかな。
この言葉を安易に使うのはやめた方がいいかも。
「おっと、危なェな」
「わ、すみません…」