路地裏Blue Night.
やっぱりいつ歩いても観羅伎街は人が多い…。
未だに人にぶつかってしまう私は、今だってすれ違った柄の悪そうな男に当たって反射的に謝ったわけ───なのだが。
「っ…!!」
「ん…?おい、こいつ佐久間のガキちゃうか…?」
私も瞬時に察した。
どこかで見たことあるなぁ…って思っていた強面は、明らかに私を追っていたヤクザで。
そう、藪島組の。
「っ、私のことは心配しなくていいから……!!」
「ミオ…!!」
「あってめっ!待てやゴラァ!!!」
奴らが狙ってるのは私だけ。
だから私はさっちゃんからすぐに離れて、狭い道を選んで全力疾走。
そうすれば藪島組の連中は私だけをターゲットに。
「はっ…!はぁっ!」
「お前は反対側から囲むんやッ!!今度こそあのガキの指詰めたる…!!」
やばい、先回りされたら逃げ場が無くなる。
そうなる前に方法と作戦を考えなくちゃ…!!
『上だ、ミオ。僕たちの道は路地裏だけじゃない』
さっちゃんはいつもそう言ってくれていた。
任務で追い詰められそうになったとき、十字路が駄目なら空を見ろって。