路地裏Blue Night.




「あっ!いたぞ……!!」


「もう逃がさへんで……ッ!!」



さっちゃんの腕に引かれるまま、階段から地上へ降りた。

それでもしつこい相手は中々に見逃してはくれない。


ヤクザの執着はナメたら痛い目みるって、最初に教えてくれたっけ…。



「…さっちゃん……ここ、」


「はぐれないようにね。こういう場所じゃないと今は撒けそうにないから」



やって来たのはクラブ。

大きな音楽と賑わう若者たち。

そこは派手なダンスパーティーのような、ミラーボールがチカチカする室内。


お酒を飲んでは煙草を吸って、きっと裏では危ない取引もされてるんだろうと。

さっちゃんは私の背中に手を当てながら奥へ進んでゆく。



「お兄さんたち2人ぃ?あたしと踊らない?」


「僕たちはコレだから」


「あっ…、そうなんだ。またね~」



コレって、なに…?


よく見てなかったけど、さっちゃんは手先で何かを表すようなものを作って、寄ってきた女に見せた。

そしたらその人はそそくさと離れて行ってしまって…。



「…クスリの売買」


「えっ!」


「ここはそういう場所」



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