路地裏Blue Night.
右手でぐっと拳を作って、左手の手のひらに合わせたナンバー1。
物理的……というのはつまり、その、あの、そういうことですよね?
捕まえてからのドガッ!バコッ!って感じですよね…?
「ってことで、今日の任務は今までと少し違う。みんな準備はいい?」
「OKだよ!鹿野さん!」
「オレもっす!」
「まて皐月。…約1名がすげー怯えてる」
気づいてくれた蘭さんの視線につられるように、その“約1名”に注目してくれる。
はい、私ですそれは。
あかんでしょうこんなのは。
物理的ってのは物理攻撃だよね?
いやいやいやいや、殴るとか蹴るとか、そんなのやったら駄目だよ…?
「ミオは足の速さで奴等に追いついて、そいつらの拠点を見つけてくれればいい。そのあとは僕らに任せて」
「えっ、これ別行動なの…?」
「うん。2チームに分けるよ」
「わっ!」
伸びてきた手が私の顔に仮面を被せた。
いつもはフェイスマスクなのに、さっちゃんはそれを今日は使わないと言い切って。
───…ピエロの仮面なんですけども。
あの、えっと、これはどういう…。