路地裏Blue Night.
それまではリング状のものだった。
けれど新しくプレゼントされたものは、垂れ下がる十字架。
『ひぃぃぃっ!!グロっ!エグっ!!』
『でもおまえも高校生になったら開けるんだろ?耳とれないように気をつけな』
一瞬にして怯える14歳を見て、16歳の俺はいたずらに笑う。
初夏の風が近づく季節。
欲望が渦巻く観羅伎町へ、今日もお助けマンとして繰り出していた。
『侑李、それくらいにしといてあげてって。それより新メンバーがそろそろ来るよ』
『俺たちより年上だっけ。確か名前は……そうそう、蘭。てかなんでそんな人から入団希望がきたの』
α9の固定メンバーは今のところ3人だけ。
けれど夜の繁華街へ非行に走る少年たちに同じようなことをさせたりして、一応一目置かれる存在にはなっていて。
歩けば誰かしらが挨拶をしてくれたり、直接なにかを依頼されたり。
そうやって少しずつ街で働く1つの組織になっていた。
『さぁね。僕たちの功績に惹かれたんじゃない?』
『だってさ、睦月。よかったね』
『うんっ!オレの後輩!!』