路地裏Blue Night.
難しい話は大の苦手。
だからずっと俺の背中に隠れていた末っ子は、水島 蘭が下手に出たことによって緊張がほぐれたらしい。
『お、オレは先輩だからなっ!分からないことがあったらなんでも聞け!』
『おい、この人はお前より3歳も年上だよ。せめて敬語つかえってば』
『いや、大丈夫だ。よろしくお願いします、睦月先輩』
『っ…!!先輩だって!!聞いたかユーリっ!兄ちゃん…!!』
そんな弟を見て穏やかに笑ってる皐月。
笑ってばっかいないでたまにはちゃんと兄貴しろ、なんて言いたくなるが。
言ったら言ったでどうせ恥ずかしい言葉が返ってくるだろうから我慢。
こんな関係性がずっと続けばいいって、ずっと続くと思ってた。
もっともっとα9は有名になるだろうって。
それはもちろん───…お助けマンとして。
『皐月、もう夜の活動に睦月を連れてくのは控えよう。かなり危なくなってる』
『関西ヤクザが来てるんだっけ…?だとしても、たぶん睦月は言っても聞かないよ』
『だとしてもだよ。兄貴なんだからさすがに弟は守らなきゃだろ』