路地裏Blue Night.
『そこじゃない。俺たちが任された任務は───…その追われている男の娘がヤクザに拉致られた。その子の保護だ』
そして水島 蘭は数々の情報通でもあった。
そんな情報どこから仕入れてくるんだよ……なんて思うことも度々で。
そんな2人を見ていると俺には何もないんだと思い知らされる。
優れていることなんかない、ただ心配性で過保護なだけで、ただそれだけ。
『それをたったの3人で…?そのヤクザはなんて組なの?』
『藪島組だ』
『やぶしま…。それって、最近この街を占めようとして関西から来てるっていう?』
『あぁ』
ここに手を出せば駄目な気がした。
俺たちは街の平和なお助けマンだ。
困っている人がいたらすぐ駆けつけられるような。
たかが10代の子供が集まってやってるヒーローごっこでしかないし、それでいいとも思ってた。
だからここでヤクザのいざこざに加われば、もう後がないような気もして。
『…どうやって乗り込むんだよ。藪島組の動きを伝えるやつ、そいつらを足止めするやつ、その娘を保護するやつ、少なくともこの3チームは必要だろ』
ずっと黙っていた俺の提案に、パソコンを操作していた蘭はうなずいた。