路地裏Blue Night.
心配性って言われたっていい、ビビりだと、腰抜けだと言われてもいい。
こんなのやめよう。
これは俺たちの仕事じゃない。警察の仕事だ。
仕事───…?
そうだ、これは“仕事”にしたら駄目なんだよ。
『オレも行く……!!!』
いつから見てたんだ、馬鹿なことを言うな、お前なんか足を引っ張るだけだ。
感情がぶわっと頭いっぱいに埋めるけれど、言葉になったものはひとつも無かった。
物陰から姿を現した睦月は、すぐに俺たちの輪に入ってきた。
『オレがそこに兄ちゃんと行ってその子を助けるよ…!!』
『…なに言ってんのおまえ、ガキは下がってろ睦月』
『オレだってα9だっ!!その子はきっと今も泣いてる、…そんなの放っておけるわけないだろ!!』
おい皐月、おまえも止めろよ兄貴だろ。
いつもいつも俺にばっかりその役を頼んで、お前は何も考えない顔でわらってるだけで腹立つんだよ。
『蘭!その子は何歳?』
『…13歳だ』
『まだ…オレより年下の子供だ。それに女の子なんて……助けなくてどうすんだよ!!』
そんな正義感だけでどうにかなる話じゃないんだよ、これは。
なんでその依頼人が警察じゃなく俺たちに頼んだか分かるか?