路地裏Blue Night.
そいつは自分が闇金なんかに手を出して、自業自得だっていうことを理解してるからだよ。
だから公式の警察や弁護士、探偵じゃなく。
こうして非公式で動いて金だってかからない俺たちへ頼んだんだ。
それは万が一の万が一、誰かの命が消えたとしても賠償金だって発生しないから。
『兄ちゃん、オレは兄ちゃんの弟なんだろ?だから…ぜったい今回も成功するよ…!いいや、オレがさせる!!』
ハッと皐月の覚悟が定まってしまったように見えて、そんなものに俺は恐怖を覚えた。
駄目だ、こんなところに睦月を加担させたら駄目だ。
まだこいつは14歳になったばっかのガキなんだよ。
ヤクザなんか知らない、知らなくていいガキなんだ。
お遊び感覚でやってる子供なんだよ。
『駄目に決まってるだろ。いつもいつもなんでおまえは俺の言うこと聞かねーの、こういうときくらい聞けよ睦月!』
『オレは…っ!オレは兄ちゃんの弟だけどユーリの弟じゃねぇっ!!』
『っ、』
思わず言葉が止まってしまった。
そんなこと俺が一番わかってたし、別に当たり前のことだ。
だけどいざ言われると、信じていた何かが簡単に切られたような虚しさが胸に広がっては気持ちが悪い。