路地裏Blue Night.
侑李side




「もしミオを危険な目に遭わすなら、僕はたとえ相手が侑李だとしても手は抜かない。
どうにかしてでもお前を……藪島組なんかに寝返ったα9を潰すよ」



おまえなんかに何が出来る。

弟を見捨てて生き残ったお前に、藪島組から逃げてきたお前に。



「弟のひとり守れなかったおまえに何が守れるんだよ」


「…僕は、あれから変わった。変わってないのはお前だよ侑李」



そんなことを言われて図星を突かれたような気持ちだった。

けれどちがう。

もしそれが正解だったとしても、変わってないのは“俺たち”でしょ。



「俺は…あのときも止めただろ、なのになんで学ばねーの」



何度も何度も止めた。

それでも本当の兄貴であるお前の言うことを聞くやつだから、睦月は。


俺の言葉なんかあのときも今も、なにも届いてない。


それが悔しくて、虚しくて、八つ当たりをするように皐月にぶつけてマンションを出た。



『見失ったって……どういうことだよ、皐月…』


『ちがう、見失ったんじゃない…、警察だ、いや……見失ったんだ、』



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