路地裏Blue Night.




不気味だった。

それはもう、何もかもが不気味。


壊れたイヤモニも、皐月の一貫性のない言葉も、その背中に眠る少女の服装も。


ぶわっと悪寒が身体中をほとばしっては、重くのし掛かってくる。



『睦月は…っ!おい睦月はどこにいるんだよ…!!皐月……!!』


『……大丈夫だよ、睦月なら。あいつは僕らの弟だから……ぜったい、帰って来るんだ、』



そう言いながらも泣き崩れる皐月。

方針状態の俺を見かねて、警察へ通報したのは蘭だった。



“鹿野 睦月さんのご親族の方ですか?睦月さんは数十ヶ所を殴られた痕があり……たった今ご遺体となって発見されました”



警察からの連絡を嘘だと思いたくて、すぐに駆けつけた俺は絶句。

青いシートに隠された遺体は、女の子の服をまとって、女の子のような顔をして眠る睦月だった。


まちがいなく、睦月だったのだ。



『……皐月…!!てめぇ……っ!!』



ドガッ───!!と、俺に殴られて力なく吹き飛んだ幼なじみ。


もう正気なんか無かった。

それは俺も皐月も。



『だから言っただろ……っ!!俺は何度も止めた…っ、それはこうなるって分かってたから……!!ふざけんなよ、おまえ、ふざけんな……っ!!!』



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