路地裏Blue Night.
『オレだってα9だっ!!その子はきっと今も泣いてる、…そんなの放っておけるわけないだろ!!』
『まだ…オレより年下の子供だ。それに女の子なんて……助けなくてどうすんだよ!!』
『兄ちゃん、オレは兄ちゃんの弟なんだろ?だから…ぜったい今回も成功するよ…!いいや、オレがさせる!!』
そう言うって知っていた。
だって僕は睦月の兄ちゃんなんだから、そんなこと分かっていた。
『駄目に決まってるだろ。いつもいつもなんでおまえは俺の言うこと聞かねーの、こういうときくらい聞けよ睦月!』
そして侑李が必ず止めることだって知っていた。
それをふまえて最終判断が僕に回ることだって、ぜんぶぜんぶ知っていて。
『オレは…っ!オレは兄ちゃんの弟だけどユーリの弟じゃねぇっ!!』
『っ、』
その傷ついた幼なじみの顔は、知らなかった。
けれど言ってしまった本人でさえ同じ顔をしていたことを見ていたのは、僕だけだろう。
『…じゃあ皐月、おまえから言ってよ、
…睦月の兄貴だろ、』
僕に意見を求めた侑李の目は、『絶対に睦月を断れ』と言っていて。