路地裏Blue Night.




だから私をいち早くライバル視してくるってわけか…。



「皐月がそう呼んでいいって言ってくれたもんね~。ベーーっだ!」


「鹿野さんはS.Roberを作ったすごい人なんだからっ!!せめて少しでも敬ってよ!!」



敬ってって言われても、どれだけすごい人なのか全然知らないし…。

ただ、ヤクザから追われて右足を擦りむいて、怪我した野良猫を拾ってくれたのは確かだ。



「じゃあ……さっちゃん?」


「そんなのダメに決まってんじゃん!!」



わがまま過ぎるよこいつ…!!


というよりも……。

さっきから気になったんだけど、“エスローバー”とは…なんぞや……?



「はいはい、喧嘩はそこまで。まずは僕たちの説明を今からしようと思ってたとこ」



私の疑問を悟ってくれたのか、パンパンと手を叩きながらソファーに腰を下ろしたさっちゃん(皐月の兄ちゃん)。

けれど彼は私と颯のぶつかり合いを見て一番に優しい顔をしていた。


そして周りは彼に対して堅苦しくて礼儀正しい。

ってことは、やっぱりさっちゃんが上の立場なんだろう。



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