路地裏Blue Night.
どうして?なんで今さら?
なんてことよりも、なんでさっちゃんからその情報がくるのかって疑問の方が大きくて。
どうにもさっちゃんは蘭さんと連結して、ずっとお母さんの居場所を探してくれていたらしいのだ。
そんな優しさにまた胸が高鳴ってしまうのだって悔しいし、ちくしょうイケメンこのやろう…って感じで。
そして今日、私はこうしてお母さんに会いに来たわけでして。
「髪…切ったの?」
「うん」
「男の子みたいね」
はい、それお父さんにも言われました。
あなた達やっぱり夫婦だよ、すごく似てるもん。
ほら娘を前にすると途端にコミュ障炸裂しちゃうところとかね?
気まずいからこんな空気はやく終わらせたいオーラとかね?
逃げてばっかりだな、どいつもこいつもこんちくしょー。
「美穂子ちゃん?知り合いの方?」
「え、えぇ。そうなの」
そうなのって……。
あんたらは私を傷つけてくるのだけは得意なんだから、まったく。
娘だよ…?
私は一応、あなたの娘なんだよ…?
ノンノン息子。
「ちょうど今はお店も空いてるから、少しお話してきたらどう?私が店番しておくわ」