路地裏Blue Night.
「……」
───に、サングラスをかけた4人集団がいるんですけど。
広くないからこそ目立つ。
しかもなんていうか、あの凸凹感には見慣れていた。
「……ああいうお客さんも来るの?ちょっと変人みたいな」
「ちょっ!だれが変人だ…!ブスのくせに…!!」
「あっ、ダメっす颯…!バレるっす…!!」
いやもうバレてんだよ。
なにしてんの、お前ら。
わざと吹っ掛けてみれば、すぐに颯だろうサングラスは引っ掛かった。
そして秀平だろうサングラスも。
ノートパソコンを操作するスーツ姿のサングラスは蘭さんで、フードを被って私に背中を向ける(たぶん)サングラスは彼にちがいない。
「今日はちょっとだけお客さんが多いみたいね。いつもはお母さんが独占してるのに…」
だろうね、そうだろうね。
きっと今日だけだよ。
ここのお店がこんなに賑やかで落ち着かないのって。
「お母さん、もう一緒には暮らせない?」
無意識だった。
意識しちゃだめ、こんなのは。
そんな私の質問に、喫茶店全体の空気までもが静かになってしまった。