路地裏Blue Night.
そもそもさっちゃんの歳もいまだに聞いていないから、蘭さんの年齢だって分からずじまいだけど。
それでも不思議だったことは1つ。
紹介されたのは、さっちゃん以外はみんな誰をとっても下の名前だけだった。
まぁとくに私も気にしないし別にそこはいいんだけど…。
すると、じっと私を見つめていた蘭さんは小さく口を開いた。
「皐月、おまえ澪に惚れたのか」
「は?」
そう言われて反応したのは本人だけ。
予想もしていなかった発言に、私も小さく首を傾げた。
なに、惚れた……?
なにが、どーいうこと、はい……?
「ボクもそう思ってたよ」
「オレもっす!!」
「は?惚れたって?ミオは男じゃん」
そーいうことだったのかぁぁぁぁ!!!
理解していない鹿野 皐月。
ドガーーンと、やり過ごせると思っていた雷が今になって降り注いできた私、佐久間 澪。
「いやどう見ても女だろ」
「……」
「え、もしかして鹿野さん…気づいてなかったとか……?ボクはすぐ分かったのに!秀平は?」
「オレも分かったっす!ショートヘアのかわいい女の子っすね!」