路地裏Blue Night.




そもそもさっちゃんの歳もいまだに聞いていないから、蘭さんの年齢だって分からずじまいだけど。

それでも不思議だったことは1つ。


紹介されたのは、さっちゃん以外はみんな誰をとっても下の名前だけだった。

まぁとくに私も気にしないし別にそこはいいんだけど…。


すると、じっと私を見つめていた蘭さんは小さく口を開いた。



「皐月、おまえ澪に惚れたのか」


「は?」



そう言われて反応したのは本人だけ。

予想もしていなかった発言に、私も小さく首を傾げた。


なに、惚れた……?

なにが、どーいうこと、はい……?



「ボクもそう思ってたよ」


「オレもっす!!」


「は?惚れたって?ミオは男じゃん」



そーいうことだったのかぁぁぁぁ!!!


理解していない鹿野 皐月。

ドガーーンと、やり過ごせると思っていた雷が今になって降り注いできた私、佐久間 澪。



「いやどう見ても女だろ」


「……」


「え、もしかして鹿野さん…気づいてなかったとか……?ボクはすぐ分かったのに!秀平は?」


「オレも分かったっす!ショートヘアのかわいい女の子っすね!」



< 23 / 282 >

この作品をシェア

pagetop