路地裏Blue Night.
秀平や颯がS.Roberに入った経緯とか、さっちゃんといつどんなふうに出会ったのかとか。
そんなの今じゃなくていい。
いつかそれは必ず知るときが来るだろうから。だって私は、ずっと彼らとこの先も一緒にいるような気がする。
「はいはーい!!みんなー!お寿司食べたい人はここ集まって!!」
「えっ!俺たちもいいのか!?」
「いいよいいよ!この量だよ?クラス全員分あるって!!」
「まじ!?さんきゅー佐久間!!おれすげぇ腹減っててさ!!」
クラスメイト全員が私の机を一気に囲った。
男ばかりでむさ苦しいとしても、ここはお金持ちでルックスが良い男が多いと言われている私立花ノ宮高等学校。
そんな場所に溶け込んでしまっていることが未だに信じられないけど。
お寿司はひとつ、またひとつと次から次に減ってゆく。
「あーっ!さっちゃんと五十嵐 侑李も呼べば良かった!」
「ええっ、なんで五十嵐 侑李も…?てかクマってあいつと話せるの…?」
「うん。…意外と優しいとこあるんだよ、あいつ」
「マジ…?でもそれ、鹿野さんには絶対言わないほうがいいやつだよ」