路地裏Blue Night.




「す、すき…だけど。すごっ!!!」


「ははっ、適当」


「適当でローストビーフとパエリアが作れるわけないじゃんっ!!ナメてんのかお弁当屋さんの娘を……!!」



だってめちゃくちゃ良い匂いするもん!

それに盛り付けだってオシャレだし、このマンションだよ?

ここは高級料理店かて……。



「ミオ、」


「わっ!ぅ…、わ、」



はしゃいでいた私の腕を掴んだかと思えば、ふわっと抱き上げられて。

気づけばソファーの上。

……に座った、さっちゃんの膝の上。



「ちょっ、ちょっと待って…!着替えるから…!私いま男の子だからっ」


「僕は女の子って知ってるから平気」



これです、これ。

私がいま一番に困っていること。

いまにも顔が寄ってくる…!
イケメンが寄ってくるーーーっ!!



「まってさっちゃん…っ、一緒にご飯たべたいでしょ…?」


「うん。食べたい」


「だったらだめ…!顔見れなくなるから…!!」


「…じゃあ横に並んで食べればよくない?」



あっ、確かにその手があったか……!!

じゃなーーーいっ!!!



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