路地裏Blue Night.




ふっと、力なく笑ったさっちゃん。
私から身体を離して遠くへ行ってしまう。


さっちゃん、あなたがいなくなったらS.Roberじゃなくなるよ。

だってS.RoberのSは皐月のSなんでしょ…?

だったらさっちゃんいないとM.Roberになってしまう。



「警察…っ、そうだ鹿野さんっ、警察に頼もうよ…っ」


「そんな時間ないよ。これは睦月のときと同じだ。…そんなことしてる間に…、殺されてる」



なに座り込んでるの、颯。

秀平、いつもの賑やかさはどうしたってんだよ。

おかしいよ。
こんなのS.Roberじゃない。


さっちゃん、こんなの逃げてる。


一見カッコよすぎでしょって思うかもしれないけど、こんなのは逃げでしかないんだよ。

だっていつもは、さっちゃんといえば安心源。ただそこにいれば絶対大丈夫って思える不思議なひと。


それなのに今は、不安でしかない。



「───…て、」



なにをしてるの。

みんな、なにをしているの。



「……立て、」



彼を救いたいんじゃないの。

それどころか一緒に死にに行くつもりだよね、それ。

そんなのカッコ悪すぎる。


こんなのは助けるって言わないんだよ、さっちゃん。



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