路地裏Blue Night.
「あ、みお。言ってなかったけど今日は蘭のとこ泊まるから俺」
「えっ!?なんで!?3人で川の字じゃないの!?」
「さっきそれが嫌だって言ってたの誰だよ」
いやいや困るの!!
今日だけは困るのに!!
アッシュグレー十字架ピアス野郎は手を振るようにベッと舌を出した───と思えば。
「あ、待って」と、何かに気づいたらしくそのまま私に近寄ってくる。
「おまえ明日までの課題、ちゃんと終わらせたの?」
「えーっと、……。」
「…皐月、俺の代わりに見てやって」
「もちろん」
えぇぇ…、だったらあなたがいつものように教えてくれればいいのに…。
さっちゃんより教え方が上手っていうか、なんていうか健全に教えてもらえるから。
「それと、ちゃんと髪は乾かしてから寝ろよ」
「え?いつも乾かして───」
「ないでしょ。昨日もドラマ見ながらそのまま寝てたじゃん」
「……」
まったく、いつもいつもこれだ。
過保護すぎるし心配性で、そう言うと決まって「俺は慎重派なだけ」って返ってくる。
「お母さんだよね?完全にアレってお母さんだよね?ねぇ秀平」
「あははっ、そうっすね!となると、鹿野さんがお父さんっすか?」
「お父さんはどちらかと言うと蘭さんでもいいと思うボク。昨日もボクたち年下組にアイス買ってくれたし」
「確かにっす!!」