路地裏Blue Night.




「あ、みお。言ってなかったけど今日は蘭のとこ泊まるから俺」


「えっ!?なんで!?3人で川の字じゃないの!?」


「さっきそれが嫌だって言ってたの誰だよ」



いやいや困るの!!
今日だけは困るのに!!

アッシュグレー十字架ピアス野郎は手を振るようにベッと舌を出した───と思えば。


「あ、待って」と、何かに気づいたらしくそのまま私に近寄ってくる。



「おまえ明日までの課題、ちゃんと終わらせたの?」


「えーっと、……。」


「…皐月、俺の代わりに見てやって」


「もちろん」



えぇぇ…、だったらあなたがいつものように教えてくれればいいのに…。

さっちゃんより教え方が上手っていうか、なんていうか健全に教えてもらえるから。



「それと、ちゃんと髪は乾かしてから寝ろよ」


「え?いつも乾かして───」


「ないでしょ。昨日もドラマ見ながらそのまま寝てたじゃん」


「……」



まったく、いつもいつもこれだ。

過保護すぎるし心配性で、そう言うと決まって「俺は慎重派なだけ」って返ってくる。



「お母さんだよね?完全にアレってお母さんだよね?ねぇ秀平」


「あははっ、そうっすね!となると、鹿野さんがお父さんっすか?」


「お父さんはどちらかと言うと蘭さんでもいいと思うボク。昨日もボクたち年下組にアイス買ってくれたし」


「確かにっす!!」



< 275 / 282 >

この作品をシェア

pagetop