路地裏Blue Night.




「服とか色々、たぶん荷物もそんなに持ってないんじゃない?」


「あ…、」



あまり大きくないリュックにせめてもの必需品を詰め込んで。

それは細やかながらに持っていた軍資金の2万円と、あとは軽い下着の替えに、女の子特有の衛生用品。


それくらいだった。



「でもさすがに多すぎるよ…!2万は…持ってるから…」


「それは何かあったときのためにとっておきな。ほら、入団祝いだと思ってよ」



だとしても5万はさすがに多いってば…。

他人からお金を貰うなんて気が引けるし、どちらかというと我が家は常に奪われていた立場だ。


せめて留置所にいるお父さんと面会する際、欲しいものを買ってあげようとして持っていた2万。



「もし返さなきゃとか思ってんなら、ミオの活躍で返して欲しいかな」



なんて言われてしまって。

これはどんなに引いたとしても彼も諦める気はなさそう。



「それに、わりと頑丈な靴とか服を揃えて欲しいんだよね。逃げたり隠れたり、こう見えて忙しいんだよ僕たちは」


「……」



ねぇ本当に大丈夫…?

安心していいの?信頼して平気…?



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