路地裏Blue Night.
「…やっぱり藪島組(やぶしまぐみ)か」
「やぶしま、ぐみ…?」
「関西勢力の1つ。少し前からね、関西ヤクザが観羅伎町を占めようと反乱を起こしにきてるんだ」
だからよりいっそう、この街は物騒になってしまったらしい。
夜中になればどこかのオフィスビルから発泡の音だって珍しくなく、喧嘩の末の殺人事件だって少なくない。
そんな場所に1人で向かって生きようとしていた私……勇気あるなオイ。
「ここを取りまとめてる本来のヤクザは天鬼組(あまきぐみ)なんだけど、藪島組が暴れてるから奴等も落ち着かないはず」
うーん、難しい…。
そーいう話はサッパリだから出来ればここらへんで止めておきたい。
「そのヤクザとS.Robreは関係があったり…?」
「ううん。僕はそれが嫌だったからさ、こうして少人数で動いてる」
ただ任務によってはヤクザと関わってしまうことが度々だと。
だから今日だって追われていたらしいのだ。
「ちなみにS.Roberは何をする組織なの?」
それを知らなければ私だって安心して働けない。
知らないうちに窃盗団で捕まってました~なんて未来は勘弁ごめんなさいだ。
「簡単に言うと、この街のお助けマン…かな」
なにかを懐かしむように、さっちゃんは悲しげにクスッと笑った───。