路地裏Blue Night.




「えっ、高っ!!他のでいいって!!」


「だめ。これくらいの素材じゃないとすぐ穴空いちゃうから」


「でもズボン1枚で85000円て…!!」


「ふつうだよ普通」



いや普通なわけない。

ブランドだ、こんなの絶対高級ブランドだ。


それに85000円て、どちらにせよ昨日の5万をポーンと飛び越えてる…。



「アウターも通気性が良いのじゃないと蒸れる。───うん、こんな感じかな」



さっちゃんと同じようなミリタリーパンツ、インナー、アウター、靴、そしてストールのようなフェイスマスク。

唖然としたままの着せ替え人形状態、そんな翌日のお買い物にて。


合計金額は全部そろえて0が倍のお値段。



「鹿野様、タクシーの手配はいかが致しますか?」


「いいや、平気」


「ではまたのお越しをお待ちしております」



ブラックカード……。
あれ、ブラックカードだった…。

本当に存在するの、あんなの。

サラッと出してお会計しちゃったんだけど、ねぇブラックカードだよねそれ。


単なるクレジットカードではないよね…?

限られたお金持ちさんしか持つことが出来ないって聞いたことありますけども。



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