路地裏Blue Night.
「さっちゃん、窃盗団ってそんなに儲かるの…?それ合法…?違法…?」
「どうかな」
休日の人混みを慣れたように歩く背中を必死に追いかける。
たまに人にぶつかってしまったときは、すぐさまタイミングよく腕を引かれるようにされて。
この人って何者なの…?なんて今日で何度おもったことか。
「昨日はよく眠れた?」
「うん、ぐっすりと!」
「そ。ならよかった」
首をコキッと鳴らしたさっちゃんは、昨日には無かった目の下のクマがあった。
「あれ?さっちゃんは寝てないの?」
「さすがに椅子だとね、起きたとき腰と首が痛くて」
「え、」
椅子…?
昨日は私は1人でキングサイズのベッドを占領しちゃってたけど、さっちゃんはさっちゃんで自室で寝るからいいって。
「でもさっちゃん、自分の部屋のベッドで寝たんじゃ…」
「あー、うちには1つしかベッドはないからね。ソファーは落ちるから僕」
……と、いうことは。
1つのベッドって、確実に私が寝たやつだよね?
「え!?椅子で寝たの!?」
「うん」
「なんでベッドじゃないの!?こっちくれば良かったのに…!!」