路地裏Blue Night.




「じゃあ明日、一緒に出てみようか。ただちょっと物騒になってるから覚悟しといてね」


「……やっぱり行きたくない。もしかしたら私を追ってたやつらと鉢合わせるかもだし…」


「大丈夫、いざとなったら僕が守ってあげるよ」



んなこたぁサラッと言うもんじゃねぇですぜい、兄ちゃん。

おっと、突然の胸キュンワードについ江戸っ子になってしまった。


ついうっかり。

まったくうっかりさんだなぁ、てへ。



「───って、めちゃくちゃ追われてるぅぅぅぅぅ!!!!」


『うるさいブス!!はやく来ないと置いてくから!!それにぜんぜん遅いじゃんっ!!』


「いやいや!!あんたらが速すぎるんだって…!!うわっ!いたっ!おっわぁっ…!!」



路地裏、慣れたように駆け抜けてゆく4人の背中を死に物狂いに追いかけてる翌日PM21:50。


我らの夜はまだ始まったばかり。

表道はきらびやかな光と声に包まれているけれど、こんな裏路地では若者が全力疾走だなんて。


こんなの聞いてない…っ!!

さっちゃんが追っ手から撒くためにわざと倒したビール瓶ケースに何回かつまずいて転けて、もう散々なんだけどっ!!



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