路地裏Blue Night.
タタタタタッと駆けてくる味方が先か、背中から追いかけてくる893さんが先か。
さぁ勝つのはどっち!!
「うっわぁっ!!」
つまずいて転けていた身体が、ふわっと浮いた。
「───まったく、心配かけさせないで。僕の傍を離れるなって命令したはずだけど?」
「た、隊長…!!」
WIN!!鹿野 皐月!!
ワーーーッ!!と、脳内で盛大な観客の声。
すばやく抱き起こされてからのおんぶへ変更。
そのまま蘭さん、秀平、颯とはちがう方向へと走ってゆく。
いま走っていた路地よりもっと狭い隙間のような裏道へずんずんと。
ふたてに分かれれば、それはそれで逃げる側としては有利。
「隊長っ!!」
「…さっちゃんの方がいいかな、それだったら」
「隊長ぉぉぉぉっ!!」
「……もういいやそれで」
だって“さっちゃん”だと、もしかしたら勘づく輩もいるかもしれないしっ。
というより隊長、今日めちゃくちゃ隊長だった……。
いざというときに本当に守ってくれたっ!!
「やっぱり一昨日の怪我、まだ痛む?」
「ううん、もう治ってる…けど」
「本気だしてないでしょ、ミオ」