路地裏Blue Night.
「ううん、そうじゃないよ。ただ、蘭くんは2足のわらじだから忙しいんだよね」
「2足のわらじ…?」
「うん。ああ見えて大手ゼネコン会社の幹部だから」
へぇ~。
大手ゼネコン会社かぁ…。
“大手”って付くだけで、どこかの御曹司みたいなイメージが勝手に作られちゃうから不思議。
………って、
「え!?そーなの!?」
「なにもう、うるさいなぁ」
颯の文句なんか気にならない。
バッと今は無き蘭さんの背中へ振り向いて、またさっちゃんへと戻す。
「別に珍しくないよミオ。僕だって色々似たようなものだし」
「えっ、そうなの…?」
「そーだよっ!鹿野さんはお前が思うよりずっとずっとすごいんだからねっ!このブス!」
「だからブス関係ないじゃんっ!チビ!!」
こいつは毎回毎回言ってきて…!!
私が女の子って知ってる?
男装してるけど中身はちゃんと女の子だからっ!!
「チビって言うなっ!あと2年くらいすればボクだって鹿野さんくらい伸びてるんだからね…!」
「そりゃないね~!男子の身長は大体が中3で決まるんですよ~だっ」