路地裏Blue Night.
とんでもなく遠慮もなにもないくしゃみだった。
それに驚いた反動でクローゼットがパカッと開いてしまって。
すってーーんと、はじめまして。
「え、だれ……?なに、アンタたち、」
「…あ、えっと、ボクたちは鹿野さんの友達でっ!」
「友達…?そんな話なにも聞いてないのに…」
なんとか乗りきった……ぽい?
私の今の格好だって普通に男の子だから、女とは見られていないらしい。
そりゃあかわいい顔してるけど颯だって立派な男の子だから、そこにつられてくれた。
「その本人はいないの?」
「急用で出ていっちゃったからボクたちがお留守番頼まれてたんだ」
ねぇブス!なんて目で見てくるから、渋々うなずく。
「はぁ~?なにそれー。もー全然会えないし!どこにいるのよ皐月!」
なんとか理解してくれた婚約者さんは、八つ当たりをするようにマンションを出て行った。
ふう……と、なんとか一息吐けた我ら最年少組。
「てか婚約者!?」
「詳しいことは鹿野さんに自分で聞いて。ボク帰る」
「あっ、ちょっと颯!」