路地裏Blue Night.
よし、うまくぶつかることが出来た。
それに自然と声をかけてもらうことも。
それからタイミングよく荷物を大袈裟に落として、相手にも拾わさせる。
バサバサバサ───ッ!!
「わーーー!!大事な参考書が…!!」
「ごめん、俺も手伝うよ」
よし、今だっ!!
男が手にしていたバッグの中に忍び込ませるように、スッと盗聴器を入れた。
……セーフ。
バレて……ない……よね?
───パシッ!!
「えっ、」
「キミ、お金ほしくない?」
あのーう、なんか手を掴まれてしまったみたいなんですけど…。
あれぇ…?
なんで私が掴まれてるの……?
バレてはないっぽいのに、なんか違う理由で掴まれてしまってるような……。
「本番ナシで2万、どう?」
「な、なんの……話ですか…?」
「初々しくてかわいいねえ。おじさんが色々教えてあげるよ」
そんなの勘弁して欲しいんですけどっ!!
盗聴器は無事に付けれたし、任務成功なのに……!!
それにあんた既婚者子持ちでしょ…!!
「ホテル、行こう?ここで出会ったのも何かの縁だろうし」