路地裏Blue Night.




こんなの余裕で背筋ゾクゾクだ。

ぞわわわわっと、悪寒と吐き気と気持ち悪さが全身をほとばしって。


こんなの風邪よりつらい症状のような気がする…!!



「き、きっもちわるぅぅぅぅ!!!」


「あっ、おい…!!」



それはもう全力疾走。


はや!!!なんて、傍の陰から見守ってた颯の驚きが聞こえたような気がする…けど。

今はそんな言葉にドヤ顔ふりまいてる余裕なんてないからっ!!



「任務成功、任務成功、だから足は引っ張ってない…」



逃げた先はどこかの路地裏。

こうしてうずくまって座り込んで、なんかちょっと懐かしいかも…なんて。


そんな私の元へコツンコツンと、歩くとそんな音がするエンジニアブーツの音。

これは銃弾を弾く素材で出来てる───なんて恐ろしいことを教えてくれた少し前。



「わ…っ」


「あれ、泣いてない」



脇に手が滑り込んできて、そのまま小さい子供を抱き上げるような動作。


ほら、この人の包容力っていうかお母さん力?みたいなのってすごいの。

すぐにぶわわっと、安心いっぱいだ。



「帰ろうか。任務成功、よくやったねナンバー5」



< 62 / 282 >

この作品をシェア

pagetop