路地裏Blue Night.
でも、任務成功して感謝してくれる依頼人はちゃんと居るし。
終わったあとは誰かの悩みを解決できたヒーローみたいで、すごくスッキリするんだよ。
「…だとしても……藪島組と組むなんておかしいでしょ」
「コレ、いいんだよすごい」
右手を仰ぐようにして、人差し指と親指を繋げるようにマルが作られた。
“お金”ってことだ。
藪島組……。
それはさっちゃんが最初言っていた、少し前から勢力を上げて観羅伎町を占めようとしてる関西ヤクザだった気がする。
そのときも暗い顔をして声をして、教えてくれた。
「皐月、知らねーだろうから教えてあげるよ」
グイッ!!と、掴まれていた胸ぐらを力づくでも離した侑李という男。
そのまま動揺して立ち尽くすかつての仲間の耳元へ唇を寄せる。
「もうお前が知ってる俺も、睦月も、───…あの日に死んだんだよ」
「っ…、」
「生きてんのはおまえだけ。幻想を抱いては惨めに、憐れに、過去から抜け出せてないのはお前だけなんだわ皐月」
きっとそれは鹿野 皐月にとって何よりの弱みのようなものなんだと思う。
だってその言葉だけで、そんなにも苦しそうな顔をしてるんだから。