初恋だった人が結婚した【完】
憧れ
「結婚おめでとうございまーす!!かんぱーい!!」
飲み会は5時からで、悩んで悩んで無難な服に落ち着いた。
テーブルの端の方にちょこんと座ったわたしと、真ん中でキラキラと笑っている主役。
他は知らない人たち。本来なら関わることのなかった世界の人。
だから、今日誘われた理由もちょっとした悪戯心のような気がする。
出会いは図書室だった。この瞬間だけ現実から切り取られたようだった。