義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
二月十三日の木曜日、創立記念日で休校となっている今日、先日里帰りしてきたアキちゃんと会う約束をした。
告白されてからふたりで会ったことはなかったから、彼を異性として意識できるかどうか、自分自身の気持ちとも向き合いたくて。
普段はどこに行くにも車なのだが、今日はアウトレットで一日過ごすためバスを使う。
午前十一時に待ち合わせの軽井沢駅に向かうと、構内で待つアキちゃんを発見。今日も男性の姿だが、ゆるっとしたブラウンのコートに大きめのニットを合わせたスタイルが彼の可愛らしさを絶妙に引き立てている。
私に気づいてニコッと笑顔になり、「りっちゃん!」と呼んで手を振る姿もキュンとしてしまった。こんなに愛らしい男性はそうそういない。
私も「アキちゃん、おかえり~」と手を振って歩み寄った。間近で見るアキちゃんの男性バージョンはやっぱり破壊力がすごくて、私は思わず顎の下で両手を組む。
「相変わらず二次元の王子様並みのビジュアル……サインください」
「りっちゃん、心の声が漏れてる」
彼は淡々とツッコんで、おかしそうに笑った。
ひとまずアウトレットに向かって歩きながら、この間の四季咲での一件を謝る。