義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 探るような視線を向けられてドキリとする。

 彼への恋心を完全に吹っ切れていない今は、まだ本命とは言えない。口ごもっていると、アキちゃんはわずかに苦笑を漏らした。


「なんて、聞くだけ野暮だね。行こう」


 明るい声色で言い歩き出す彼を見て、複雑な心境になる。

 私は、アキちゃんを異性として好きになれるだろうか。曖昧なままでは失礼だから、今日のデートが終わる頃には答えを出せるようにしたい。


 まずは早めにランチを済ませることにした。お互いにお店や料理の好みをよく知っているので、自然と候補は絞られる。

 少し相談して、今日はイタリアンレストランに決定した。アキちゃんとは牛丼屋にもカフェにも女子のノリで遠慮せず入れるので、お店選びはあまり迷ったことがない。

 お腹が満たされたあとはやっぱりショッピング。ずらりと並ぶ高級ブランドショップに入ってみたり、オシャレで可愛い雑貨に癒されたり。

 以前から感じていたことだが、アキちゃんは女でもあるから一緒に買い物するのがとても楽しい。同じテンションで盛り上がれるし、私が迷っているときは的確にアドバイスしてくれるし。きっとほかの男性とではこんなに気楽にショッピングはできないと思う。
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