義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
何度か重ね合わせたあと、彼の巧みなキスによって唇をこじ開けられる。ざらりとした舌が侵入しようとしてきて、「んっ」と自然に甘い声が漏れた。
わ、わぁ、これが〝深いキス〟というもの⁉ なんか、想像以上にやらしい……!
頭の中はパニック状態で、ロマンチックなムードはどこかへいってしまう。自分の舌はどうしたらいいの⁉なんて必死に考えていたとき、突然彼の唇が離された。
反射的にぱっと目を開くと、聖さんは少し顔を歪めて手を口元に当てている。
「っつ……」
「だ、大丈夫?」
どうやら口内の切れた部分が痛かったらしい。キスどころじゃなくなって心配していると、彼は自分に呆れたように笑って私の髪を撫でた。
「ごめん、止められなくなるところだった。……大人のキスはまた今度ね」
私の唇を親指でなぞりながら囁く彼がセクシーすぎて、すでに昇天しそうになる。
こんなに素敵な人の恋人になれたなんて、まだ信じられない。私の心臓はこの先もつんだろうかと変な心配を本気でしつつも、この上ない幸せを噛みしめていた。