義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「もうすぐ六花の誕生日だから、少し早いけど今週末に一緒にお祝いしないかって言われてるの。そこで会ってくれる?」
「うん、わかった」
私はもう子供ではないし、自分の父親だという実感はしばらく湧かないかもしれないが、もちろん仲よくやっていきたい。
母がどんな人を好きになったのか単純に興味があって、ワクワクしながら洗い物を再開すると、大事な情報を補足される。
「彼にも息子さんがひとりいるから連れてきてくれると思うわ。六花のお義兄さんになるのよ」
「あ……そっか、その人にも子供がいるんだもんね」
この歳で兄ができるのか。まさかそんな少女漫画みたいな展開になるとは。
ひとりっ子の私は兄妹に憧れていた時期もあったが、聖さんがお兄ちゃんのような感覚でもあったから、いつの間にか考えなくなっていた。その彼ともうまくやっていけるといいのだけど。
ちょっぴり緊張し始める私に、母は「きっと六花も気に入ってくれるはずよ」と、なぜか自信ありげに含み笑いをする。
その様子が若干気になったものの、あとは当日のお楽しみだと詳しくは教えられなかった。とりあえず母がとても幸せそうなので、私は温かく見守っていこう。