義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
すると、背後から腕を回されて、すっぽりと私の背中が覆われる。シャンプーの香りが鼻先をかすめ、鼓動が乱れ始める。
「まあ、ふたりの目を盗んでいけないことをするのも楽しいかもな」
意地悪な笑みを湛える唇が囁き、そのまま耳を甘噛みされた。驚いて思わず「ひゃっ!」と声を上げると、彼がクスッと笑う。
「気づかれるよ。そんな声、誰にも聞かせたくないんだけど」
「やっ……耳、ぞくぞくする」
耳元で話し続けるからくすぐったくて、口を手で覆って身をよじらせた。そんな私の顎に手を当てた彼は、自分のほうへくいっと顔を向ける。
頬を紅潮させ困った顔になっているだろう私の目に、とろける笑みを浮かべる聖さんが映る。
「六花、俺のものになってからますます可愛くなったね。余裕ぶってないで、もっと早く奪ってしまえばよかった」
聖さん、余裕ぶっていたの? というか、あなたはますます甘くなっていますよ。
と、言う前に唇を塞がれた。二度目の優しいキスで、胸一杯に喜びと愛しさが広がる。
けれど、今この最中に両親が来るかもしれないという不安で、気が気でない。彼の腕を掴んでキスを中断させる。