義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
暗くなり始めた頃、観覧車に乗って美しい景色を満喫し、ホテルのレストランで夕飯を堪能した。中華街は明日のお昼に行くつもりだ。
今夜泊まるのは横浜港に面したラグジュアリーホテルで、窓からは海辺の景色が見渡せるため、まるで船の中で過ごしているような気分を味わえる。海なし県に住む私にとっては異世界も同然だ。
広々としたスイートルームは洗練されたデザインで、高級感をひしひしと感じる。こんなに素敵な部屋に泊まったことがないから、リラックスするべき場所なのに緊張しっぱなし。
……いや、緊張しているのは部屋のせいじゃないか。いよいよ夜がやってきてしまったからだ。
レストランから戻った私は、大きな窓からベイブリッジを眺めてひとりドキドキしまくっている。これでお風呂に入ったら、きっと私は、聖さんと──。
めくるめく妄想が繰り広げられそうになったものの、気配を感じて振り返った瞬間、私は彼の腕の中に閉じ込められた。
「……やっと抱きしめられた」
吐息交じりに囁かれ、鼓動が痛いくらい激しくなる。そのまま首筋にキスをされ、ぞくりとする快感を覚えると共に艶めかしい雰囲気を察し、咄嗟に彼の胸を軽く押した。