義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
聖さんに教えてもらったのは勉強だけじゃなかった。誰かを想うだけで幸せな気持ちになれるのも、胸が痛くて切なくなるのも、全部あなたがいたから感じられたこと。
腰に回した手にぎゅっと力を込めると、彼は私の頭を包み込むように撫で、「六花には敵わないよ」と苦笑を漏らした。
結局私が勝ち、お風呂に入ってできる限りの身体のケアをして、しっかり心の準備も整えた。肌触りのいいバスローブを纏い、覚悟を決めてベッドの上で待つ。
続いてお風呂から出てきた聖さんは、なんとなく正座をして固まっている私を見て軽く噴き出した。そして、石鹸のいい香りを漂わせつつ、私のそばに優雅に腰を下ろして問いかける。
「もういいですか?」
「もう、いいですよ」
かくれんぼみたいなやり取りになってお互いに笑いをこぼし、彼がこちらに手を伸ばして髪を掻き上げる。次いで頬に手を当て、唇を寄せた。
キスをしながら優しく身体を倒される。今度は事故なんかじゃない。覆い被さった彼は、あのときとは比べものにならないほどの情欲を露わにした瞳で私を捉えている。
「身体のほうも、俺が大人にしてあげる」
色気溢れる声に、私は心臓が飛び出しそうになるのを感じながら頷いた。