義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 数日後、連休に入り、観光地であるここでは県外ナンバーの車を多く見かける。軽井沢駅付近の道路はよく混雑しているので、車社会の私たちにとっては少々厄介なときもあるのだが、今日はさほど気にならない。

 親友の小夏(こなつ)が運転する車に、もうひとりの親友アキちゃんと共に乗り、ガールズトークで盛り上がりながらドライブしているから。

 木々に囲まれた枯葉が舞う道を抜け、混んでいる中心街から少し離れた湖畔にやってきた。風がない今日は、鏡のような湖面に青空と木々が映ってとても美しい景色を見せている。

 自然と芸術を楽しめる施設が多数あるこの辺り一帯は、水篠リゾートを設立して間もない頃に開発したスポットだそう。情緒ある大正ロマン風のホテルもあり、この中のカフェでまったりするのが私たちのお決まりなのだ。

 タイミングよく、湖畔が見えるソファ席に座ることができた。私の隣で注文したホットレモンティーをひと口飲んだ小夏は、満足げにソファにもたれる。

 ショートボブの髪型を長らく変えていない彼女は、サバサバした性格の美人さんだ。
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