義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

「三人でここに来るの久しぶりだね! やっぱ落ち着く~」
「ほんとほんと。ここのモンブランが一番美味しいし」


 向かいの席で、綺麗なネイルを施した指先でメニューをトントンと叩く、アキちゃんこと(あきら)ちゃんは、大のスイーツ好き。緩くカールした栗色の長い髪に、くるんと上を向くまつ毛、アイドルのように可愛い顔立ちの彼女にスイーツは似合いすぎる。

 ふたりは中学時代からの付き合いで、なんでも話せる大好きな友達である。今は皆バラバラの道に進んでいるが、小夏はずっと地元にいて実家の小料理屋を手伝っているので、わりと頻繁に会っている。

 ただ、アキちゃんは群馬の四大に行っていて今日は連休でたまたま帰省しているため、会うのは夏休み以来なのだ。

 小夏は地元を離れているアキちゃんに対していまだにぼやいている。


「なんでアキ県外に出てっちゃうかなー。私と六花はすぐ会えるけどさ」
「そうだよ、寂しいよ。トレンド先取りのアキちゃんが一緒にいないから、私たち見事に流行に乗り遅れちゃってるし」
「うん。マリトッツォの正体を知ったのもかなりあとだった」


 顔を見合わせて「ねー」と小首をかしげると、アキちゃんはあははっと無邪気に笑う。
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