義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
ゆるりと口角を上げる私に、アキちゃんはさめざめと泣くフリをして「なんていい子……」と言っている。お母さんみたいなリアクションをする彼女に笑いがこぼれた。
新しい父親ができるのはもちろん、私が妹になることも重大だ。
「それより、義理のお兄ちゃんができるみたいで、そっちのほうが気になるかも」
「えー!」
ふたりは再び驚きの声を上げ、身を乗り出してこそこそと話し出す。
「これは禁断の恋が始まるんじゃ⁉」
「エロい匂いがするね、こなっちゃん」
「ないよ! 私はほら……聖さんひと筋だから」
面白がっているふたりに、私は恥ずかしくなりつつそう言った。
確かに、義理の兄妹ってちょっとドキドキする関係だし、妄想もはかどるのはわかる。けれど、聖さん以上に好きになる人なんてそう現れないから、禁断の関係にはなりえない。
小夏はにやりと口の端を上げ、タルトの苺を口に放り込む。
「やっぱカテキョの彼以外、眼中にないか。あんなに大人の色気を漂わせてるイケメンもなかなかいないもんね~」
うんうんと頷く彼女は、どうやら聖さんを思い返している様子。