義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
恋人関係になると、六花との同居生活はさらに背徳感が増した。両親にも報告したとはいえ、さすがに表立ってじゃれ合う気はなく、ふたりの目を盗んで戯れているからだ。
もう六花への欲求を抑えなくてもいいのだと思うと、隙あらば愛でてやりたくなってしまう。そのたび可愛い反応をするから、また欲求が増して……という繰り返し。
彼女もめでたく社会人となり、休みを合わせるのは難しくなったが、毎日少しでも顔を合わせて『好きだよ』と伝えられるだけで幸せを感じている。
そんな日々を過ごして約一カ月が経ち、明日は諸事情で久しぶりに東京へ出向く予定だ。しかし、昨日の六花の様子が少々気になっている。
なんとなく上の空になっているような気がしたのだ。職場でなにかあっただろうかと問いかけてみたものの、特に仕事で悩んでいるふうではなかった。
彼女は『聖さんの気にしすぎ』と笑い飛ばしていたが、確かにそうかもしれない。六花にはつい過保護になってしまうのも考えものだ。〝お父さん〟にならないようにしなければ。