義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 義兄妹であるため、互いの家に入ったりふたりで会うのは不自然ではないし、そういった写真を撮っても言い逃れできてしまうだろう。ラブホテルに入る写真なら有効性が高いだろうが、その瞬間を個人が撮影するのは難しい。

 それを伝えると、山本さんは助けを求めるように訴えてくる。


「でも、不倫しているのは確実なんです。抱き合っているところをこの目で見ているので。さすがにそのときはショックで、証拠を残すなんて余裕はなかったんですけど」
「普通はそうです。信頼していた相手の裏切り行為を目撃したら、誰だって冷静ではいられません」


 俺の口から実感がこもった声が出て、彼女は泣きそうな表情になって下唇を噛んだ。

 想像もしたくないが、もし六花がほかの男と浮気している場面に出くわしたら、法を犯してしまえそうな気さえする。いや、法に触れないギリギリのラインで男側に制裁を与えるか。

 という俺の物騒な想像はさておき、かなりのショックだったであろう山本さんにとって最善の方法を、頭の中ですぐに弾き出す。
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