義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

「りっちゃんはどうしてアタシと友達でい続けてくれてるの?」


 まるで私に確認させるかのごとく優しく問いかけられ、素直な思いが口からこぼれる。


「アキちゃんのことが、人として好きだから」


 迷いなく答えると、彼女は本当に嬉しそうに笑って「告白されちゃった」と茶化した。そしてすぐ表情を少し引きしめ、私を諭すように言う。


「きっと水篠さんも同じだよ。あんたが大切だから、無条件で好きだから一緒にいるの。そういう〝愛〟って、相手にどんな事情があっても、たとえ迷惑かけたとしても変わらないものなんじゃないかな」


 その言葉のひとつひとつが、私の胸にじんわりと沁み込んでいく。

 愛の種類にもいろいろあるけれど、本物のそれはちょっとやそっとじゃ揺らがないものなのかもしれない。聖さんから私に対する愛もきっとそうなのだと、信じる気持ちを取り戻させてくれるようだった。

 アキちゃんは「それに」と続け、私の肩に手を置く。


「アタシもりっちゃんも、なんにも悪いことしてないじゃん。他人にとやかく言われる筋合いなんてない。堂々としていていいんだよ」
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